中学受験の社会は、地理・歴史・公民という3つの分野から成り立っています。どの分野も暗記が必要ですが、中学受験で必要な知識は膨大です。何もかも暗記するのは無理があります。
歴史は時代の流れも理解しながら覚えなければならないため苦手な子も少なくありません。そこで、今回は歴史が苦手な受験生のために、どのような勉強をすればよいのかを紹介していきます。
中学受験は算数や国語ではなく、「社会」の出来で合否が決まります!
そのため、第一志望に合格したいのであれば、歴史を家庭学習でまず最初に固めるのが断トツの近道です!
● 算数の1点と社会の1点は、入試総合点で考えれば同じ1点
● 歴史は流れ・ポイントを効率良く学習すれば、すぐに得意教科にできます!
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中学受験の歴史は流れやつながりを意識しながら暗記する!
歴史の勉強といえば多くの人が年号をイメージするのではないでしょうか。大人も子どもも「鳴くようぐいす平安京」とか「いいはこつくろう鎌倉幕府」といった語呂合わせを聞いたことがあるものです。
地理の場合には、こういった年号はなく、どちらかというと、白地図をベースにして、重要キーワードを身につければ得点につながりました。しかし歴史は地理と異なり、時代の流れやつながりも含めて知識を身につける必要があります。つまり、歴史の場合は覚えた単語のつながりまで理解しておく必要があるのです。
また、今の中学入試では歴史の問題の中で地理の問題が組み合わされて出題されるケースも増えています。ただ年号を覚える、キーワードを覚えるだけでは全く点数につながりにくくなってしまうため、歴史は苦手意識を持ってしまう受験生も多くいます。
中学受験で歴史をできるようにするための3つのポイント
現時点で歴史が苦手だからといってあきらめることはできません。歴史が全く出題されない中学校というのはないので、少しずつ苦手は克服することを意識しましょう。今回は3つのポイントを紹介します。
まずはテキストの読み合わせをして流れをつかむ
歴史の授業は一度の授業で、覚えることもたくさん出てきます。塾の先生の説明がどれだけ上手であっても、どうしても一度の授業で習うことが多く覚えられないことも出てきます。そして、そのような覚えられないことの積み重ねが歴史を苦手にする要因につながるのです。
抜けている部分を埋めるために、授業で習った内容を復習する時間を作る必要があるのですが、ただ教科書や参考書を読んでいるだけでは内容が頭に入りません。そこで、親子で一緒に復習するにもおすすめです。ただ読むのではなく読み合わせ形式にすると記憶に残りやすくなります。
方法としては、まずは一緒に読み合わせをしてなんとなく書かれている内容を頭に入れ得るようにします。すでに授業で習った話を思い出すのにも効果的です。一度読み返したら、教科書や参考書に書いている歴史事項を一問一答形式で教科書をみながら答えさせるようにすると記憶に残りやすくなります。
このとき、暗記が苦手なタイプの子なら、一問一答形式の問題を出して、答えの重要キーワードを答えさせるのが良いでしょう。少しずつ慣れてきて頭の中に知識が残るようになってきたら、保護者が語句を伝え、子供に説明を指せるようにしていくとより一層記憶に残りやすくなりますし、実践的な知識が身に着きます。
たとえば平安時代の単元を読み合わせるなら、子どもがある程度記憶できていると感じたら「摂関政治はどんな政治?」「平安時代っていつから?」といった単語だけでは答えられないような質問を投げかけていきましょう。最初は単語しか出てこないこともあります。そのときには単語の書いてある部分を見て、どのような説明が書かれているか一緒に確認していきます。この確認作業をすることでだんだんと知識が頭の中に入っていくのです。
毎週親子で時間を作って読み合わせをするのはなかなか大変です。他の科目の宿題もありますし、塾のテストや出かける予定もあります。そこで、社会の読み合わせは毎週決めた時間に15分、30分だけ作るのを心がけましょう。もっと長くとれるのなら一緒に作業しても良いのですが、続けられなければ意味がありません。現実的に続けやすい時間帯で進めていくのがベストでしょう。
全体像をつかんでから細かな部分を覚えるようにする
時代区分ごとに授業では歴史を習いますが、実際のテストの多くは時代区分を超えて出題されます。そこで大きな流れを理解して、そこに細かな年号や用語といったものを加えていきましょう。大まかな歴史の流れを骨組みにして、細かな知識を肉付けしてどんどん太く高く積み上げていくイメージです。だいたいの歴史の流れを理解したら、少しずつ年号や登場人物の整理をして知識を増やしていくと身につけやすいですし、忘れにくくなります。
歴史はエピソードで覚える
とはいえ、中学受験の歴史で出題される内容は膨大にありますし、歴史だけでなく地理や公民も覚えなければなりません。そこで、さらに効率よく覚えるためにエピソードを加えていきましょう。
エピソードというのは自分の体験を通して得られるものなので、記憶に残りやすいですし忘れた時も思い出しやすいです。しかし歴史で習うことは過去のことであり、自分が今から体験することはできません。そこで、疑似体験として日本の歴史のマンガを読んだり大河ドラマを観たりしてみましょう。
大河ドラマはある程度歴史に興味がないと観ても楽しめないことがありますが、マンガであれば読みやすいですし、子どもたちにとっては気分転換にもなります。
読みながら登場人物の気持ちになって歴史のエピソードを知ることによって記憶にも残りやすいのはもちろんのこと「歴史って思っていたよりも面白いかも」とか「もっと詳しく知りたい」とかといった気持ちを持つきっかけにもなります。
歴史の知識が増えてきたらテーマごとにチェックしてみる
知識が増えてきたら、いつもと同じようにテキストの読み合わせをしたり、簡単な問題を解いたりということを続けているだけでは知識が増えていかないですし、実践的な知識は身についていきません。実際の入試や普段の模試でも役立つ知識を身につけるためには、テーマごとにチェックする時間を設けていきましょう。
時代による政治の実権者の違いをまとめていったり、都の場所をまとめるのであれば簡単で取り組みやすいでしょう。慣れてくればだんだんと文化や宗教、政策といったものにしていくと模試でも役立つ知識が身につきます。
このような時代区分にとらわれずテーマごとに見ていく内容は意外と塾のテキストでまとめられていないことが多いです。そこで、ノートにまとめたり、紙に書き出したりしてチェックしやすい状態を作っておくことをおすすめします。あるいは、スタディアップのコンプリートマスター歴史もテーマ史で完璧にまとめてあります。
そういったものがあれば、模試の前の見直しに役立つのはもちろんのこと、過去問や模試の解きなおしで知識を書き加えたり、苦手分野を中心にまとめたりすれば自分だけのオリジナル参考書ができあがります。空き時間ができたときにすぐに見直せて便利ですし、受験のときには「お守り」のような存在になってくれるでしょう。
余裕があれば歴史を習う前から興味関心を持てる取り組みを
地理も歴史も興味を持つことができれば苦手を克服しやすいです。何も知識や興味関心がないところに知識を植え付けようとしてもなかなか身につきません。
そこで塾に通うまでや歴史を習うまでに余裕があれば少しずつ興味を持つことができるようになる取り組みを行っていくようにしましょう。
旅行先に歴史スポットがあれば立ち寄ってみる
実際に目にしたものや体験したものは記憶に残りやすいです。具体的にいつの時代にその場所で何が行われたかとか、誰が活躍した場所なのかとかまで覚えておく必要はありません。ただ「行ったことがある」という記憶があったり、「行ったことあるかも」と思い出せたりするだけでも何も知識がないよりは授業の内容も身につきやすいです。
歴史にゆかりのあるスポットは全国にたくさんあります。できればお城や古墳といった見た目にインパクトのある場所の方が記憶に残りやすいですし、実際に教科書で目にしたときに「行ったことがある!」と思い出しやすいのでおすすめです。今はコロナ禍でなかなか難しいですが、地理や歴史の勉強にもなるので、もしも一度旅行の際に歴史的な名所を訪問して楽しめたようなら定期的に足を運んでおきましょう。
タブレットやパソコン、アプリも積極的に活用する
勉強する際にタブレットやパソコンを使うこと、勉強系アプリを使うことに抵抗を感じていませんか?最近ではとてもわかりやすい動画が無料配信されていたり、勉強にとても役立つアプリが出てきたりしています。
もちろん、タブレットの動画やアプリだけで中学受験の社会を完璧に理解して問題が解ける状態にすることはできません。しかし、息抜き感覚で遊んだり、ゲーム感覚で楽しんだりすることは決して悪いことではありません。
動画やタブレットで勉強することの最大のメリットは実際の人物の写真や画像、映像が見られることです。ただ文字で記憶するよりも、写真や動画を見た方がイメージはつかみやすくなります。人物の写真や有名な写真、風刺画といったものは社会の入試問題でも出題されることがあるので知っておいて損はありません。子どもがわからない単語があるときにもタブレットやパソコンを使って画像を見せてあげると理解しやすいし記憶に残りやすいので、積極的に活用しましょう。
ゲームも同様です。得点で対決したり、早押しをしたりするとだんだん「お父さん・お母さんに勝ちたい」という気持ちが芽生えてきます。勝つためには記憶をすることが必要ですし、繰り返し取り組むことが必要です。おのずと知識が増える取り組みができるので、苦手克服の一助となってくれるでしょう。
CD教材に取り組むのもおすすめ
どんな受験生にも1日24時間が平等に与えられています。その中で学校に行ったり塾に行ったりしながら勉強時間を確保しなければいけません。毎日のやるべきことをこなすだけでも疲れるのに、集中して勉強に取り組もうと思っても体力が残っていないということも少なくありません。
そこでぜひ取り入れてみてほしいのがCD教材です。CD教材であれば、テキストをみながら聞くだけなので、自分で問題集を解いたり教科書を読み込んだりするよりは負荷がかかりにくい上に、五感を刺激するためわかりやすくて記憶にも残りやすい教材形式です。
CD教材も市販の書店などでも様々なものが販売されていますが、せっかく購入するなら限られた時間を有効活用できて、なおかつしっかりと成績に結びつくものを選びたいはずです。そこで、どんな教材にすれば良いか迷ったときにおすすめしたいのが「スタディアップ」のCD教材です。
スタディアップでは様々な社会科の教材を取り扱っていますが歴史についてもレベルに合った学力を身につけることのできる教材を用意しています。歴史が苦手な人向けの教材としては「コンプリートマスター歴史」という教材を、得意でさらに得点源にしていきたい人には「プラチナアウトプット歴史」「記号の森」という教材があります。
コンプリートマスター歴史
この教材は歴史が苦手な人や苦手な時代区分がある人、基礎からもう一度復習したいという人に向けたものです。歴史が苦手な人や、受験勉強に身が入っていなかった人は、授業が終わってから再度歴史の授業を受けなおしたいと思うこともありますが、なかなかそのような時間は取れません。
そこで、自宅でもう一度本格的に歴史の授業を受けなおしたいと思ったときに使えるのが「コンプリートマスター歴史」です。
あくまでも授業内容がメインとなるため、教材を聞いているだけでは知識を身につけるのに限界があります。そこで、年号を覚えるときには「ゴロ将軍」を使ったり、短時間で復習をしたいときには「フラッシュカード歴史」を使ったりして習った知識を定着させていくようにしましょう。
プラチナアウトプット歴史
「プラチナアウトプット歴史」は収録されているすべての問題が実際に中学受験で出題された問題という良問で構成された問題集です。管理が難しい入試問題を単元ごとにまとめているので、知識の整理にもとても役立ちます。受験に出題された問題を解くというのは難関校、人気校狙いの受験生のモチベーションアップの面でも効果的です。
どうしても単元ごとのテストは良い点が取れても入試問題のような時代区分をまたぐ総合問題になると得点に結びつかない子にとってはとても良いトレーニングになる問題集です。苦手から標準的な得点に引き上げるのはもちろんのこと、社会を得意科目にすることもできます。
さらにこの問題集には講義CDもついています。実際の入試問題であるため問題集の中には答えを見ただけでは理解できないものもあります。そんなときに解説CDを聞けばポイントをおさえることができるのはもちろんのこと、解説を読むよりもスムーズに理解することができます。
記号の森
「記号の森」は、名前の通り記号問題に特化したCD付きの問題集です。中学入試で実際に出題された入試問題から選び抜かれた記号問題100題に取り組むことで記号問題を解くテクニックや答えを出すために必要な知識、考え方を身につけることができます。
覚えるべき知識をまとめた問題集は多くありますが、答えを出すためのプロセスがまとめられた問題集は珍しいです。実際にどのように考えると答えが出せるのかを知ることで、記号問題をスピーディーに正確に答えるテクニックを身につけられるようになっています。
この問題集も解説講義CDが3枚付いていますので、ただ答えを読み上げていたり、解説をしていたりするだけでなく、問題を解くためにどのように考えていくのかという過程までしっかりと説明がしています。どんな知識を身につける必要があるのか、どこまで覚えておく必要があるのか、ということも説明しているので歴史だけでなく、地理や公民の復習にも役立ちます。
まとめ
苦手、できない、という状態は誰だって気持ちの良いものではありません。特に受験勉強中は、苦手科目や分野があることによって合格できないのではないかという不安な気持ちにもなってしまいます。苦手な状況を改善するためには焦らずできることを少しずつ積み上げていくしかありません。
どうしても勉強を始めるとすぐに効果を期待しがちです。これは親子共にいえることであり、直近のテストでの成績が良くないことで保護者から子どもたちに向けてネガティブな言葉をかけてしまうこともあるものです。できない状況を改善しようとしているときこそポジティブな言葉をかけて子どもたちが「頑張ろう!」と思える環境づくりを心がけましょう。
成績はすぐに伸びるものではありません。最初から高い目標を立ててしまうと途中で挫折してしまう可能性もあります。そこで小さな目標を立てて少しずつクリアしていくことを目指しましょう。
現時点で歴史が苦手な状態であれば、まずは足を引っ張らない状態にまで仕上げる→さらに得点源にするという2段階のステップで取り組みましょう。そのためにも、まずは、模試の正答率50%以上の問題を落とさないことを目指していきましょう。そうやって少しずつ成長していけば歴史の勉強が楽しくなって得意教科まで引き上げることも可能です。