中学受験 国語の文法対策とよく出る問題例

中学受験では4教科の勉強が必要であり、どの教科もたくさんの分野の問題が出題されます。そのため、どんな子でも必ず苦手教科やなかなか覚えられない単元が出てくるものです。特に国語は点数が取れるようになるまでにかなり時間のかかる教科であり、受験勉強をしていてもなかなか思うように点が伸びず悩む子が多くいます。

国語を勉強する際、文章題以外に漢字などの知識問題の2分野のどちらにどのくらいの配分で取り組めばよいのかで悩んだことはないでしょうか。知識問題も、漢字以外に文法もあり、何をどのくらい勉強すればよいのか悩むものです。

そこでこの記事では、国語の文法対策としてどのような問題にどのくらい取り組めばよいのかを紹介していきます。また、国語が苦手で思うように点数が伸びないときに取るとよい対策についても紹介します。

目次

中学受験では国語の文法は必要なの?

国語の文法は思いのほか覚えることも多く、苦手意識を持っている子が多くいます。果たして文法は理解しておく必要があるのでしょうか。

出題頻度はかなり低い

中学受験で文法の問題が出題される学校はほんの一握りです。出題される内容も、主語や述語を選ぶものや助詞や助動詞の活用、敬語の使い方といったものがメインであり、文法すべてを理解しておく必要はありません。

このように出題頻度も低く、問題数もあまり多くないために、塾でも文法をきっちりと学ぶというところはあまりないです。塾での授業内容を理解しておけば十分といえるでしょう。

出題される場合には過去問を中心にしっかりと練習しておく

過去問で文法が出題されている場合には、問題数が少なかったとしてもしっかりと練習して解けるようにする必要があります。たとえ問題数が少なかったとしても、出題される問題が事前にわかっているということはかなり有利です。

国語の問題のメインとなるのは初見の文章を中心とした文章題がメインであり、事前の準備ができません。そのため、文法のように出題パターンが見えているものがある場合にはしっかりと事前に解いて解けるようにしておくと5点から10点拾うことができます。受験での5点から10点はとても大きいです。特に国語が苦手な人にとっては苦手部分のカバーになるので確実に練習して点が取れるようにしておきましょう。

実際の中学入試で出題される文法問題

先ほど、文法問題としてどのような単元の問題が出題されるかというのは紹介しましたが、具体的にどのような問題が出題されているのかを紹介します。

主語述語の問題

文章中の主語と述語を答えるというシンプルなものです。具体的な例を挙げてみましょう。

(問)次の文中の主語と述語を答えなさい。
1ː母の 手は 毎日の 家事で 荒れていました。
2ːぼくが 雨の 日には 犬の 散歩に 行くように しています。
3ː今年、弟も 6年生に なったので、一緒に 勉強を 頑張ります。

問題によっては、このように短文が並んだ設問ではなく、小説などの長文の中にある指定の文章の主語と述語を答えるというタイプの問題もあります。どのようなタイプの問題でも、主語と述語を答える問題では、述語から見つけるのがルールです。述語を見つけ、その言葉にあった主語を見つけるようにすると絵ミスを防ぐことができます。

助動詞の問題

主語述語の問題の次によく出るものが助動詞の問題です。助動詞は主語述語の問題に比べると難易度が上がります。具体的にはどのような問題があるでしょう。

(問)次の文の下線部と同じ言葉の働きのものを選びなさい。
「セミの鳴き声を聞くと、少年時代の夏休みが思い出される。」
1ː東京から福岡までは飛行機と新幹線のどちらでも行かれる。
2ːいつもは元気なのに今日は学校を休んでいる友達の様子が気づかわれる。
3ː私は友達から冷たいと思われるようなことはしたくない。
4ːこの春卒業して進学される先輩の送別会をしたい。

「れる・られる」の働きは、尊敬、可能、自発、受け身という4種類があります。今回の問題は4つの選択肢にすべてが出ています。この問題の場合、1ː可能、2ː自発、3ː受け身、4ː尊敬です。この4種類は比較的わかりやすいものですが、苦手な子にとっては「自発」の見分けで苦戦をするようです。

自発、というのは言葉の通り、動作などが自然におこることを意味しています。そこで、班別の方法として、心の動きや気持ちの表現の時によく使われると覚えておくとよいでしょう。

品詞の問題

品詞の問題といっても「これが何詞か」という名称を答えるものは出題されません。前の問題と同じように、同じ品詞のものを選ぶ問題が出題されます。

(例)
1ː兄は高校生だ。
2ːこの辺りは静かだ。
3ː昨日本を読んだ。

この問題は3つとも語尾が「だ」ですが、それぞれ品詞が異なります。1は断定の助動詞、2は形容動詞の「静かだ」の一部、3は過去や動作の完了を表します。見分け方としては、形容動詞は「な」に置き換えることで判別できます。3の過去は判別がしやすいので、助動詞と形容動詞の見分けができれば答えを導けるようになります。

どうしても文法が苦手な場合にはどうするか

どれだけ練習しても、どうしても文法が理解できない、解けるようにならないという子も中にはいます。その場合、どのように対策をすればよいのでしょう。

主語述語、敬語といった最低限だけマスターする

文法の中でも品詞の問題は難しいですし、苦手意識を持つ子も多いです。そこで、取り組みやすい主語述語の問題や、敬語の問題だけ重点的に練習してマスターしておき、それ以外の難しい単元は最低限の勉強だけにとどめてしまうというのも一つの方法です。

文法の出題がない学校を選ぶ

ずっとあこがれている第一志望の学校に文法の問題がたくさん出題されるという場合には、努力をするしかないです。しかし、併願校のようにどこにするか悩むような場合には、文法の出題がされている学校を選択肢から外してしまうのもよいでしょう。

もちろん、併願校から外すとなると子どもの意思も確認する必要があります。また、今まで出題されていなかったとしても、受験するタイミングから文法が出題されるというケースもあります。そのため絶対とは言えないですが、確率としては例年出題されている学校に比べると下がります。受験は当日を迎えないとわからないことも多いです。理科や社会の一単元に比べると文法は出題される問題数や配点も低いので、思い切って文法の出題される学校を減らすことも有効といえます。

文法が苦手なら思い切ってあきらめて社会に目を向けてみる

文法が苦手でなかなか国語の点が伸びない場合、思い切って国語の点数を上げようとせず社会の点数を伸ばすことを意識してみましょう。これは社会が苦手な子だけでなく、得意な子でも有効な方法です。

なぜ社会に目を向けるのか

苦手なもの、解けないものがある状態で受験をするのは不安に思うかもしれません。しかし、誰にでも苦手なものはあるものです。国語の文法が苦手という場合には、無理に国語でだけ点数を伸ばそうとするのではなく、ほかの科目で点数を取ることを意識してみましょう。

入試のときには合否は2教科もしくは4教科の合計点で決まります。そこで、国語の文法のように出題される量が少ないところに注力するよりは、もっと頻出単元に注力したほうが合格点に届きやすくなるのです。特に社会は、国語よりも勉強した内容がすぐに点数に結び付きやすいです。そこで、国語の文法が苦手で合格点に届くか不安、という場合にはあえて国語の文法以外で点数を取ることを意識することも有効なのです。

得意な子でも有効

この方法が有効なのは社会が苦手な子だけではありません。得意な子にとっても有効なのです。得意な子でも、なかなか点数が伸びない部分や、覚えきれていない内容というのはあります。そういったものを詰めていくことで点数を伸ばしていくことができるのです。

どのようにして点数を伸ばしていくか

では、具体的にどのような方法で点数を伸ばしていくかということですが、受験生は忙しくてなかなか勉強の時間が取れないので、少しでも短時間で効率的に知識が身に着けられるよう工夫をしなければなりません。

そこで活用したいのが「スタディアップ」の教材です。苦手でなかなか知識が身についていない人は「白地図ピース」から使い始めてみましょう。白地図を使って都道府県の位置はもちろんのこと、山地・山脈といった覚えておくべき地理の基礎知識を身に着けることができます。リングカード式になったフラッシュカード都道府県も付いてくるので持ち歩いて使うことも可能です。

社会が得意な子の場合には「記述の戦場」で、記述の対策をして知識をブラッシュアップさせるのもよいでしょう。入試問題に対応できる力を養うためには「プラチナアウトプット」でトレーニングをするのも効果的です。どのレベルにも対応できる問題が用意されているので、適切な内容のものを選んで取り組んでみましょう。地理、歴史、公民、どの分野にも様々なタイプの問題集が用意されているので、そのときにあった教材を見つけることができます。

まとめ

今回は国語の文法への取り組み方を紹介しました。出題される学校は少ないものの、学校によっては毎年必ず出題されるというところもあります。対策としては、よく出題される分野を中心に、できるものから取り組んでいき、少しずつ力をつけていくしかありません。

しかし、中にはどうしても覚えられない、なかなか知識が身につかない、苦手意識が克服できないという子もいるものです。そのような子は無理にどうにかしようとせず、文法の苦手をカバーするために社会の勉強をして得点をアップさせることを検討したりするのがよいでしょう。その子にあった対策をすることで、大変な受験勉強も乗り越えやすくなります。

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