塾に頼りきらない!中学受験突破には自宅学習にも力を入れよう

近年は、中学受験を志す家庭で、低学年のうちから塾に通う小学生も増えています。それだけ中学受験の母集団全体のレベルが上がっている事になりますので、上位の成績を維持するためには、ライバルと違いを出して頑張る必要があります。そこで力を入れて頂きたい差別化ポイントが、ズバリ自宅学習になります。

保護者の中には、ただ塾に通って勉強すれば、志望校に合格できると考えている人がいます。しかし、塾で勉強する時間よりもご家庭での時間の方が長いのですから、自宅での学習を徹底しないと成績はなかなか上がりません。むしろ、中学受験のための学習は、塾の通うことよりも自宅学習が重要なのです。言い換えれば、自宅以外での学習以外は、ほとんどが塾で学習となりますが、ほとんどの受験生が塾に通っているために、塾に通うだけでは差をつけられにくくなっていますから、いかに自宅学習を頑張れるかが鍵となるでしょう。

この記事では、塾に通っていたとしても必ず必要になる自宅学習を、どのようにすれば中学受験で結果が出やすくなるのかを紹介していきます。

目次

中学受験で差がつくのは自宅学習

中学受験勉強をするにあたって、もっとも勉強する時間が長くなるのは自宅です。そのため自宅学習の内容が中学受験の合否にとても大きく影響します。塾に通っていれば安心、と思われがちですがそのようなことは決してありません。

中には子どもが自分である程度管理して宿題や復習、過去問演習を行える場合もありますが、ほとんどの場合には親御様のサポートが必要でしょう。

とはいえ完全に管理をするのも無理がありますし、ずっと保護者が勉強内容の管理をすることは難しいです。そこで自立自走していくことができるよう、最初のうちはしっかりとサポートするものの程よい距離感でサポートをしていくことを心がけましょう。

自宅学習は塾のように決められた範囲を勉強する訳ではないので、少し困ってしまいますが、無理のない範囲やペースで勉強して下さい。初めから難しい所から勉強するとなると、やる気が失ってしまいますから、自信を付けるためにも、できる所から始めてみると良いでしょう。

自宅学習で親が覚えておくべき大事なこと

では、具体的に子どもたちが自宅で学習する際、保護者はどのようなことに気を付けていけばよいのでしょうか。いくつかのポイントをまとめてみましたのでぜひ参考にしてみてください。

保護者も腹をくくって勉強に関わることが重要

保護者が子どもの勉強にかかわる、というのはかなり大変なことです。仕事や家事をこなしながら、その合間に勉強をみたり、必要な指示を出したりしなければならないですし、子どもたちも受験勉強だけでなく学校行事やほかの習い事もあります。そのためお互いが協力しなければうまく進めることはできません。

中途半端に保護者が関与してしまうと、宿題の声掛けや丸付け、わからないところの解説といったことができないと「お母さんのせいで宿題が終わらなかった」とか「お父さんが宿題をやれって言わなかったからやらなかった」とかと余計な揉め事を作る原因になります。子どもたちにも塾に通ったり、友達と遊ぶことを我慢して勉強をさせたりと大変なことをさせるのですから、保護者も勉強を見ると決めたのなら、腹をくくってきちんとかかわることにしましょう。中途半端なことをすると受験勉強がうまくはかどらないだけでなく、親子の関係が悪化する原因にもなります。

ルールを明確にする

毎週保護者が手伝う内容を変えたり、勉強する時間を変えたりすると子どもたちも混乱してしまいます。そこで少しでもお互いに作業がしやすいよう、ルールは明確にしておきましょう。最初から子どもの方から「こうして欲しい」という提案をさせることは難しいです。そこで初めのうちは保護者からある程度勉強を進めやすくするための提案をしてあげた方がスムーズに勉強が進められます。

例えば、低学年のうちは宿題の丸付けを保護者がするという家庭も多いです。勉強を始めたところで丸付けからスタートすると時間のロスが発生します。そこで学校に行く前や寝る前といった子どもが勉強しない時間に丸付け作業ができるよう、学校に行く前にノートを置いておくとか、寝る前に宿題をしてそのままノートを渡すようにするとか、ルールを決めておくと子どもにとってもルーティン化しやすいですし、自宅学習の時間を有効活用できます。

他にも朝起きて漢字と計算だけは取り組んでから学校に行くとか、遊びに行く場合には出かける前に宿題は終わらせておくとか、といった約束も定番です。子どもたちが宿題を確実に終わらせることができるようにするためにはどんなルールを作るのが良いか、子どもの性格やタイプからも考えると続けやすくて結果の出るルールが作れます。

自宅で受験勉強を始める環境づくりをする

受験勉強をする間は、なかなかテレビも見られないですし、ゲームをすることもできません。とはいえまだ小学生なら遊びたくなることもあるでしょう。親に隠れてゲームをするくらいなら、やるべきことが終わったら好きに遊んでいいという環境を作ったほうが健全です。

そこで、受験勉強に取り組み始める前に、自宅内を自宅学習しやすい環境に整えてあげましょう。宿題をするのに自分の部屋でする場合、部屋にマンガやゲーム、スマホやタブレットといったものがあるとどうしても誘惑に負けてしまうことがあります。そこで、部屋では集中しやすいよう。気が散る原因になる道具はすべて取り除き、自由時間にリビングで楽しめるよう移動させるのが効果的です。

自分の部屋で一人になると集中できないタイプの子の場合には、最近流行りのリビング学習を取り入れるのも良いでしょう。勉強はリビングでするようにすれば、部屋はマンガやゲームなど自由時間に楽しめるものをそのまま置いておき、自分の部屋はリラックスできる場所として残しておくことができます。

これも、子どもの性格や好きな遊びといったものによって適切な環境設定が変わりますし、学年に応じても変わってくるので、お互いに話し合いながらベストな環境を作っていくようにしましょう。

勉強しやすいスケジューリングを心がける

毎日行き当たりばったりで時間ができたら勉強しよう、といったスケジューリングでは学習習慣も身につかないですし、毎週の宿題もしっかりとこなすことができません。そこで、ある程度のスケジュールは親子で話し合って決めておきましょう。

たとえば〇時~△時まで、といった明確な時間を決めていなくても、塾に行く前とか夕飯前とかだけでも決めておくと違います。ある程度ルーティンが組み込まれるようになるので、子どもたちも自然と「勉強しなきゃ」と意識が向けられるようになります。

ただ、ルーティンができ上がるまでには成功体験をたくさん積み重ねることが大切です。せっかく机に向かったのにやるべきことが終わらず中途半端になってしまったり、集中できずに終わったりすることが続くと子どもたちもモチベーションが上がらず「どうせ机に向かっても終わらないし」という気持ちになり習慣がつかなくなる原因です。

そこで、習慣づけるまでには保護者がうまく誘導することを心がけましょう。具体的には、食事前の時間に宿題に取り組んでいる場合、集中しているようならある程度キリが良くなるまでは声をかけないようにしたり、学校に行く前の時間の場合には机に向かうことができる時間の中で終わらせることができるよう、漢字や計算といった短時間でできる課題をするように促したりするようにするのです。

何度か経験して実際に宿題がはかどったり、机に向かって集中できたりすれば、子どもたちもおのずと机に向かうようになります。小さなうちは課題に取り組む準備に時間がかかったり、効率よく取り組める課題がわからなかったり、と勉強以前の部分で躓くことが多いので、保護者のフォローがあるだけでも課題が大幅に進みやすくなるのです。

学年別のおすすめ自宅学習方法

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自宅学習の取り組み方は子どもの学年によっても大きく変わってきます。低学年のうちは取り組む内容は比較的簡単ですが、子どもたちの精神年齢が幼い点で苦労します。それに対して高学年になってくると子どもたちは受験生としての自覚も出て自主的に勉強することになりますが、学習内容の難易度が上がります。そのため学年に合った自宅学習の方法を考えるようにしましょう。

低学年の時の自宅学習方法

小学校低学年のうちに机に向かう習慣がつけられていると4年生以降の学習が大幅に楽に進められるようになります。そこで、まずは勉強することよりも毎日机に向かう習慣をつけることを心掛けましょう。

最初から毎日1時間机で勉強する、というのはかなり難しいです。そこでまずは5分ほどで終わるような簡単なドリルから始め、毎日取り組む習慣をつけることから始めます。はじめから難しいことにして挫折して続かなくなることを避けるためにも、確実に続けられるよう、敢えて10分ほどで終わるものでも十分です。

慣れてきたら少しずつ机に向かう時間を増やすようにします。課題のボリュームを増やすのでも良いですが、まだ勉強時間を伸ばすのが難しいと判断される場合には読書をしたりパズルをしたりというのでも構いません。あくまでも机に座って遊び以外の時間を作ることを目指し、4年生になる前に毎日1時間机に向かって勉強をするという習慣が定着するのをゴールにしましょう。

小学4年生の時の自宅学習方法

小学4年生頃から少しずつ中学受験のために塾に通う子が増えていきます。自宅学習については塾に通っている場合とそうでない場合に分けて考える必要があります。

塾に通っている場合

中学受験のために塾に通っている場合、塾の日は塾の授業以外に勉強時間を確保するのも難しいですし、塾のない日も遊びに行ったり習い事をしていたりしてなかなか机に向かうことができないケースもあります。しかし宿題は初めからある程度課されるので、土日の勉強時間の確保がとても大切になってきます。

4年生のうちは遊びに行くこともありますし、習い事があったり学校行事があったりしますが、土日のどちらか1日はしっかりと塾の勉強に取り組める時間を設けるようにしましょう。日曜日の午前中とか、土曜日の午後とかある程度毎週レギュラーとして勉強できる枠を作ってくと子どもたちも学習習慣が身につけやすいです。

もちろん土日だけ勉強していても自宅学習の時間は足りません。そこで平日も30分でもいいので塾がある日もない日も机に向かうことができるよう、自宅で過ごす時間のスケジュールを組むようにしましょう。夕飯前や朝早起き、寝る前など、30分なら時間を作りやすいです。朝が得意な子、苦手な子、テレビが好きな子、外遊びが好きな子など、子どもによってタイプも違うので、取り組みやすい時間帯を選んで親子でうまく時間を作っていきましょう。

塾に通っていない場合

塾に通っていない場合には、自宅学習で小学校4年生の学習塾での内容をある程度勉強しておく必要があります。5年生から受験勉強のために塾に通う子も多いですが、4年生のうちに基礎的内容はある程度学習しているため、スタートが4年生と5年生では身についている知識にかなりの差が出てしまいます。そのため4年生の間は自宅学習をするという場合、学校の授業内容だけでは不十分になるのです。

とはいえ塾のテキストをすべて家で保護者が授業して演習をして、ということは無理があります。そのため漢字や計算、都道府県といった勉強の基礎となる内容を身につけることを心がけましょう。毎日1時間ほど机に向かい、初めのうちは学校内容程度のものから始め、少しずつレベルを上げて学習塾の小学4年生向けの内容にレベルアップしていくと親子共に無理なく課題を進めていくことができます。

動画を使った学習をするのも有効です。動画を見ながらであれば保護者が説明するよりも集中しやすいですし、映像で解説してくれるので理解も進みます。動画であれば子どもたちも苦手意識を持たず取り組みやすいので、少しずつルーティンとして組み込みやすいでしょう。

小学5年生の時の自宅学習方法

塾に通っていれば5年生になると毎回しっかりと宿題が出されます。宿題にしっかりと取り組めば授業内容が理解できるし、定着が図れます。そのため、まずは宿題をきちんとこなすことを心がけましょう。
多くの場合、はじめのうちは宿題をこなすだけでも精一杯になるものです。予習や復習をしたり、テスト対策の勉強をしたり、とあれこれやりたいことがあるでしょうが、無理はせず、きちんと宿題をこなすことだけに注力すれば問題ありません。

宿題をきちんとこなすとは?

塾でも「宿題はきちんと取り組んでほしい」といわれることがありますし、保護者も子どもたちに対して「宿題はきちんとやりなさい」と言いがちです。しかし、子どもたちは「きちんと」というのがどういうことを意味するのか意外と分かっていません。だからこそ、はじめのうちは宿題以上のことをしようとするのではなく「きちんと」こなすことを目指すようにしましょう。

では具体的に「きちんと」というのはどういうことなのでしょうか。子どもたちの多くは宿題として出された課題をすべて解けば「きちんとできた」と思いがちです。しかし、大人が考えている「きちんと」にするためには、ただ解くだけでなく間違えた問題は解きなおしが必要ですし、わからない問題は保護者や塾の先生に質問して理解することが必要です。

こういった細かな部分まで正しく勉強ができるように保護者がリードしていくことも自宅学習では大切になっていきますし、このような丁寧な学習ができるようになると志望校がグッと近づきます。

小学6年生の時の自宅学習方法

6年生になると受験が近づいてくるため1分1秒も無駄にすることができません。そこで自宅学習は学習時間を確保するだけでなく、効率的に学習して知識をしっかりと身につけていくことが大切です。自宅学習の内容は夏休み以降から過去問演習が始まるので、夏休み前後で区切って考えていくようにしましょう。

夏休みまで

単元学習は6年生の夏休み前までで終わる塾がほとんどです。夏休み以降は復習や総合問題、過去問演習といったものに進んでいくため、毎週の授業内容をきちんと理解し、少しでも知識を増やしていくことを心がけましょう。

まずは毎週の宿題にすべて取り組み、時間のあるときに苦手単元の復習をしたり、過去の内容を振り返ったりして少しでも忘れている部分をなくすようにしていきます。解けない問題や覚えられない内容は夏休み中に復習する時間を設けておくと9月以降の演習がかなり楽ですし、力もついて周囲と差をつけることができます。

夏休み以降

夏休み以降は塾の授業では総合演習がメインになります。そこで、授業やテストで覚えていなかった単元の復習をこまめに行い、苦手分野や覚えていない部分を減らしていく努力をしていくことが大切です。効率よく特に覚えていない内容やよく間違える問題はこまめに見返すことができるよう、ノートにまとめたり壁に貼っておいたりするとよいでしょう。

過去問演習は管理が特に大変なので保護者のサポートが必要です。数年数解かなければならないのはもちろんですし、複数回次試験が行われる学校の場合には、受験しない回次の過去問を解くこともあるのでかなり管理が厄介になります。そこで、いつどこの学校のいつの問題を解くのかというスケジュール管理以外にも、解き終わった過去問の採点や解きなおしの進捗といった状況管理も含めて手伝うようにしましょう。

塾に通い始めてからの自宅学習は教えることより管理をメインに

塾に通うまでの自宅学習は、学校で習っていない内容や難しい問題については保護者が説明して教えることが必要です。しかし、塾に通い始めたら指教えることは塾に任せ、保護者は管理に徹するようにしましょう。

塾の宿題は種類が多いですし、やることも膨大です。限られた自宅学習の時間にやるべきことをこなすためには勉強時間確保のための時間管理、集中しやすい環境を作るための環境整備、宿題のリストアップなど、宿題を進めやすくするための下地が必要になります。これを保護者がすることによって子供たちが限られた時間の中でも宿題や復習に取り組む時間を作ることができ、塾の学習内容が定着するようになるのです。

宿題を解いていてわからないことがあったり、解きなおしてもなかなか答えが合わなかったりすると子どもたちから質問されることもあります。答えることは決して悪いことではないですが、中学受験の内容は特殊算など独特な考えのものが多く、説明が上手くできないものも多いです。

子どもたちが余計に混乱をしたり、質問したのに結局解決しなかったりという無駄な時間を作らないようにするためにも、説明が難しいものは塾に持って行き質問するように促しましょう。質問させた方が塾の先生も苦手分野の把握ができますし、わかりやすく短時間でわからなかったものがわかるようになり効率的です。

塾なし、自宅学習だけで中学受験合格はできる?

全く塾に通わない塾なしで、市販の参考書や問題集をメインにして中学受験を合格するのは非常に難しいかも知れません。やはり、塾のような授業を受けないと、どうしても頭に残りづらいですし、分からないことがあるとそこでつまづいてしまうからです。

しかし、自宅学習だけで合格は可能です。今は、大手塾もインターネットのオンライン塾のサービスを始めているところもあり、そういったところでは塾と同じような授業を自宅で受けることができます。

さらに社会においては、日本で唯一の社会科専門塾スタディアップでは、家庭学習で最大限効率よく学習できる教材(講義CD・オリジナルテキスト・カード)を開発しており、スタディアップの社会科教材であれば、わざわざ社会だけ別の塾に通ったりすることなく、自宅学習だけで、社会を得意科目にすることも可能です。

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まとめ

今回は中学受験における自宅学習の進め方を紹介しました。自宅学習がなければどれだけ塾で内容の濃い授業を受けていても定着することがありません。受験生といえど小学生なので、学習環境を整えたりスケジュール管理をしたり、という部分では保護者がサポートするようにしましょう。高学年になると勉強の指導をするよりは保護者が管理に徹したほうが自宅学習がはかどるようになり、良い流れを作ることができます。

自宅学習は、時間があると共に誘惑もそれなりに多いので、一日どれくらい勉強するかも事前に決めておいた方が良いでしょう。子供の自主性を活かす事も大事ですが、最初のうちは保護者のサポートが絶対に必要です。そして、模試やテストで偏差値が良かったときは、思いっきり褒めてあげて、親と子の信頼関係も築いていって下さい。

中学受験を成功させるためには、自宅での学習も大事になります。塾に頼りきらずに、親子のチームプレーで自宅学習の時間を作って、信頼関係を築きながら、中学受験合格に向けて頑張りましょう。

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