中学受験の四谷大塚 過去問データベースの効果的な活用法

四谷大塚 過去問データベース

中学受験で志望校に合格するためには、「過去問」の存在が必要不可欠です。なぜなら、過去問に取り組んで受験する中学校の入試問題の出題傾向や特徴を掴むことが非常に大切だからです。

一般的に過去問は、ある程度基礎が固まった小学6年生の秋以降から取り組み始める場合が多いです。しかし、いざ過去問をやらせようとして過去問題集を買いに行き、値段を見てみると、意外にも高くて、安易に複数の中学の過去問をまとめて購入するには勇気がいる場合もあると思います。

少し無理をしてでもお子様に投資することは、決して悪いことではありません。ですが、塾に通うために必要な費用や、家庭教師をお願いする費用など、現時点でもすでに、結構なお金を費やしているはずですし、中学校に進学してからも当然、あらゆる面でお金はかかるはずです。

こういった経済面のことを考慮すると、「安く過去問を手に入れる方法はないのか」と考えるかと思うのですが、実は過去問は、わざわざ問題集を購入しなくても、安いどころかある方法を使えば「無料」で手に入れることが可能です。

もちろん、中学受験情報を扱っているホームページや受験する中学校のホームページなどで、無料でダウンロードできる場合もありますが、ここでは、もっと効率よく過去問を無料で手に入れる四谷大塚の「中学入試 過去問データベース」を活用した方法をご紹介します。

目次

四谷大塚の「中学入試 過去問データベース」は無料で過去問がダウンロードできる

「中学入試 過去問データベース」の具体的な利用方法

結論から言うと、全国の主だった中学の過去問は、四谷大塚のホームページ上の「中学入試 過去問データベース」でダウンロードできます。ですので、ここからは、四谷大塚が集積した過去問データベースの効果的な活用方法についてご紹介したいと思います。

膨大な数の入試問題が、四谷大塚のホームページ上からダウンロードできますので、簡単に受験中学校の過去問に触れることが出来ます。そのためには、事前に四谷大塚のホームページの「中学入試 過去問データベース」というページから、事前に登録(無料)しなければなりません。

現時点で志望中学校が決まっていないお子様をお持ちのご父兄にも、色々な中学校の受験問題を見ることも可能です。全てパソコン上で行うことが出来ますので、わざわざ書店などで過去問を探しに行く必要はありません。また、全て無料ですのでコスト的にも心配は不要です。

四谷大塚「中学入試 過去問データベース」の具体的な利用方法

ここからは、四谷大塚の「中学入試 過去問データベース」を活用した具体的な過去問の入手方法をご紹介したいと思います。

四谷大塚のデータベースにアクセスする方法

まずは、四谷大塚の下記のアドレスから登録を始めるところから始まります。『初めての方はこちらから』というバナー部分があります。さらに、『無料登録会員』をクリックするバナーがありますので、必須項目だけでも入力し登録します。IDやパスワードは必ずどこかに書き留めておきましょう。同じパソコンでCookie(クッキー)が有効になっていれば、再び入力し直すことなくログインできます。

アクセスサイト : https://www.yotsuyaotsuka.com/chugaku_kakomon/system/login.php

志望中学校を選択して過去問をダウンロード

お子様の志望する中学校を、データベースより選択します。選択に当たっては既に志望中学校が決まっている場合には、中学校名で検索できますが、検索キー(検索する際のキーワード)が以下のように各種取り揃えられています。

  • 男子校・女子校・共学校別で検索できます
  • 志望校の学校名をズバリ検索できます。
  • 難しい漢字の中学校名などではひらがなでも検索できます。
  • 五十音表での検索も可能です。
  • 偏差値から適する中学校を検索してくれます。
  • 偏差値の範囲は50から1きざみで検索できます。
  • 地域検索都道府県別でも検索できます。

これらの四谷大塚のデータベースは、常に担当者が更新していますので、今まで無かった過去問が掲載されていたりしますので常々見ておくことをお勧めします。この更新情報は、ページの上段に「更新履歴」が表示されるウィンドがあり、そこで最新更新情報が掲載されます。また、検索の結果表示された各学校のページでは、中学校名が太字で示され、その下に学校区分、地域、偏差値が掲載されていますので、確認には便利なように出来ています。

検索された志望する中学校の過去問が年次別に掲載されていますので、自分のパソコンにダウンロードします。全ての過去問データファイルがPDFファイルになっていますので、そのままダウンロードできるようになっています。

また、問題ファイルと解答ファイルが並んで別ファイルとして表示されているので、2ファイルを連続でダウンロードするようにしましょう。複数校の問題ばかり先にダウンロードしてしまうと、どの問題ファイルとどの解答ファイルが合致しているのかが分かりにくくなってしまいますので、問題ファイルと解答ファイルを常にペアでダウンロードするようにしましょう。

しかし、例えば「開成中学校」のような場合、4教科の問題と解答が2005年度分より2020年度分まで掲載されていますので、全部をダウンロードするには、4教科×2ファイル(問題と解答)×16年分となりファイル数としては128ファイルにも及んでしまいます。

そのため、教科を絞るか年度を直近5年程度に絞るようにして下さい。古すぎる過去問は、その時の学習指導要領+αで構築されていますので、現在の問題傾向と異なっている場合があります。

問題と解答の各PDFファイルを印刷

当たり前のようですが、PDFファイルはあくまでも見るためのファイルなので、PDFファイルに書き込むことは通常できません。特殊なPDFファイルソフトをお持ちの方でも、一旦は紙に印刷することをお勧めしています。ご自宅にプリンターが無い場合や、故障しているような場合、お近くの主要コンビニエンスストアでも印刷予約できますので、Web上で印刷ファイルを指定してご利用されれば良いかと思います。

以上の手順で紙ベースの過去問が手に入ります。ただし、あくまでもPDFファイルからの印刷ですから、実際の受験時の用紙とは異なりますので、文字の大きさ、紙の質、綴じ方などは違うということをお子様には伝えておいたほうが良いでしょう。受験本番の時に、見た目上過去問と全く違うということで焦ってしまうケースも時々聞きますので注意してください。

過去問をダウンロードしたら、必ず印刷しよう

過去問を印刷した後は、必ず原本の問題と解答をセットで保管しておくようにしましょう。お子様に問題を解答させる時などは、全てコピーしたものを使用するようにして下さい。過去問の場合、一度実施すれば、それだけで大丈夫と言うことはありません。

特に第一志望中学校の過去問などは、できれば全ての教科に満点を取れるようにしたいものです。そのためには、何回も過去問を解くことになりますので、そのたびに原本(ダウンロードしたもの)からコピーしたもの使用するようにしましょう。

また、問題だけではなく解答についても1セットとしてコピーするようにしましょう。メモや書き込み、過去問を解いた日時などのメモを残すのにも有用です。また、解答を見ても何故そのようになるのかが分からない場合があります。

そんな時は、その問題と解答をマーカーなどでマークしておき、付箋などでマーキングして解決するまで目印にしておきます。さらに、間違った解答を行った場合にも、誤答した設問にチェックして誤答が無くなるまでの記録を残しておきます。こうすることで完璧な過去問制覇になります。

しかし、こうした過去問におけるデータベースを活用するには、過去問自体の重要性を知らなければ「宝の持ち腐れ」と言われてしまいます。そこで、まずは過去問がいかに大切かということをご紹介し有効に活用していただけるようにしたいと思います。

中学受験における過去問はどうして重要なの!?

中学受験における過去問の大切さについて

過去問が手元に入手できると言っても、中々それらを活用することにまで至っていないケースが散見されます。また、一方では入手はしたものの手を付けていないお子様もいれば、見てもいないお子様も中にはいます。過去問は、お子様にとっては、受験という難関を現実的に直視することになります。

そのため、過去問は現実の受験を控えていればいるほど、お子様にとりより怖いものだと映る場合があります。しかし、過去の問題を解くことによって、その試験の特性や雰囲気を感じ取っておくこと、つまり慣れることが大切であるとお伝えください。結果的に早ければ早いほど良いのはもちろんの話になります。では、過去問が何故大切なのかの具体的な内容に少し触れておくことにしましょう。

過去問は学校の特徴をよく表している

後ほどご紹介する入手方法で入手した過去問について、同じ中学校の試験を数年分解いてみて下さい。事前にご父兄が解かれることをお勧めします。その学校の試験の特徴が掴み取れるようになります。受験科目に当たる各中学校の教科担任の先生は複数います。

その先生方が合議して問題を作成しますが、過去に出したこともないような突拍子もない問題はほぼ出ないことになります。入学試験で、設問自体に欠陥があれば大問題になりますので、どうしても過去の問題を踏襲する傾向にあります。そのため、志望中学の過去問を見ておくことが大切になります。

過去問で見る傾向と対策

過去に出された問題を把握することで、その対策を練ることが出来ます。国語、算数、理科、社会と4教科全てが受験科目の場合、各教科をひとつずつ丹念に、設問と解答を覚えておくことで対策が講じられます。

過去問を全くやっていなかったお子様と、完璧にクリアしたお子様では、当然合格率が異なることになります。正確なデータはありませんが、過去問によって慣れたお子様の場合には、解答する時間も短くて済むようです。また、ご覧になれば一目瞭然なのですが、問題の構成(組み立て方や書き方)にも慣れておいた方が良いでしょう。

国語では長文読解の問題など1行が極端に長いものや、解答をどこに記載すれば良いのかなど特徴を捉えておくことが傾向と対策になります。こうした技術的な細かなことに慣れれれば、解答後の見直し時間にも余裕が出来ます。

併願校のある場合は、対象校全てを見ることを推奨

少し、時間がかかりますが、併願校のあるようなお子様の場合には、併願先を疎かにせず、併願校の方もできる限り過去問に手を付けておくことをお勧めします。本命中学校にばかり気を取られていては、併願する意味がなくなります。

また、併願校が本命校の前の試験日だった場合には、気持ち的にも落ち着くようになりますので、こうした面からも併願校の過去問も解いておくようにしましょう。複数校合わせて見ておくようにしたいものです。

小学4年生、5年生でも過去問をとりあえず見ておくべき

小学生の高学年でも過去問は有用

中学受験を控えた小学6年生のお子様たちには、必ず志望中学校の過去問は実践していて欲しいでが、なにも小学6年生ばかりが対象ではありません。小学4年生、5年生に入った時期から、こうした過去問をダウンロードして、実際の問題を見てみるご父兄やお子様も最近は特に多くなっています。そのため、ここで紹介している四谷大塚の過去問データベースを活用して過去問を入手される場合が多くなってきています。

家族内で、初めて中学受験を目指させてみようかと考えられるご父兄の皆さんには、是非早い時期からこうした過去問をダウンロードして、どういった問題があるのかを見ておいて下さい。まだ時間の余裕のあるうちに、過去問を眺めるだけでもお手元に置いておきたいものです。

また、高学年である小学4年生、5年生のお子様をお持ちのご父兄には、ご家庭で身近に感じられている中学校を思い浮かべ、その中学校の過去問をダウンロードししてみるのも一法です。この時には、過去問を実際に直ぐにお子様に解かせるのではなく、ご父兄がお子様と一緒になって勉強の時間として、一つずつ問題と解答を見て行かれると良いでしょう。

当然、まだ習っていないことや、難しい漢字などが並んでいると思います。ご父兄の皆様が手助けして、〇〇中学の受験には、こうした問題が出題されるんだという認識だけでもご父兄とお子様に共通して持ってもらいたいものです。

この時に注意しなけれなならないことは、お子様のやる気モードを落とさないことです。中には、過去問を見て、やる気に拍車をかけるお子様もいますが、すぐに難しすぎて諦めてしまう子様も大勢います。

過去問について、各教科第一問目から手のつけようのないほど難問が並ぶわけではありません。簡単と思われる問題をピックアップして親子で解いてみるのも良いかもしれません。兎にも角にも、中学受験までは一年以上の期間があることから余裕をもって受験準備を進めていきましょう。

難関中学の入試問題の過去問は、特集コーナーがある

難関中学の過去問

さて、模擬試験や通常の学習進度や深度から考慮して、お子様を難関中学と呼ばれる中学に進学させたいとお考えのご父兄にとっては、その中学の過去問を出来るだけ多く入手しておくことが大切です。難関中学と言えば、下にお示ししたような中学校になりますが、それぞれ特色ある問題になっています。中学受験に合格するための過去問ですが、他の普通レベルの中学校を受験するお子様をお持ちのご父兄にも是非ご覧いただきたい内容です。

ちなみに、四谷大塚の過去問データベースの中には、「Pick Up中学校」というコーナーがトップページの中段に設定されており、難関中学と呼ばれる中学校をピックアップされています。ちなみに、2020年7月初旬時点でピックアップされている中学は以下の通り全23校になります。

男子中学校(11校)

開成中学校、麻布中学校、武蔵中学校、筑波大学附属駒場中学校、灘中学校、ラ・サール中学校、聖光学院中学校、栄光学園中学校、海城中学校、早稲田中学校、駒場東邦中学校

女子中学校(6校)

桜蔭中学校、女子学院中学校、雙葉中学校、豊島岡女子学園中学校、フェリス女学院中学校、浦和明の星女子中学校

共学中学校(6校)

慶應義塾中等部、渋谷教育学園幕張中学校、渋谷教育学園渋谷中学校、青山学院中等部、早稲田実業学校中等部、筑波大学附属中学校

以上をご覧になれば、中学受験に詳しいご父兄様にとれば、どの中学校も難関と呼ばれる学校で、その入学試験内容も独特なタイプのものがあり、またそれがその中学校の特色ともなっています。

四谷大塚「中学入試 過去問データベース」で人気中学の過去問は全て網羅されているの?

人気中学の見分け方

最後に、お子様に合った中学校の過去問がデータベースにあるのかどうかということが気掛かりなご父兄も多いと思います。四谷大塚のデータベース上に過去問の掲載のある中学校は全国で486中学校(2020年7月現在)あります。全国ほぼ全ての学力入学試験のある中学校が網羅されていますのでご安心ください。

また、2020年の中学入試において、首都圏の男子校、女子高、共学校のそれぞれの平均競争倍率をまとめました。ここで示した平均倍率を上回る中学校であれば、一般的に人気が高いということになるでしょう。あくまでも平均倍率で、ご参考頂くには以下の注意事項を念頭に置いてご覧ください。

【倍率をみるにあたっての注意事項】

  • 志望校が所在する都県の平均倍率を上回っていれば、平均以上に人気がある。
  • 下記のデータは「日能研」の速報値によるものです。
  • 倍率表示の中で0.0倍は、その都県に該当中学校が存在しないことを示す。
  • 2020年の結果速報値を基にしていますが、2021年度は受験日の変更が予測されることから受験者数の大きな変動がある可能性があります

東京都の場合

 ・男子校 ・・・6.6倍
 ・女子校 ・・・4.7倍
 ・共学校 ・・・7.1倍
 ・合 計 ・・・6.1倍

神奈川県の場合

 ・男子校 ・・・5.6倍
 ・女子校 ・・・4.8倍
 ・共学校 ・・・6.6倍
 ・合 計 ・・・5.8倍

千葉県・茨城県の場合

 ・男子校 ・・・0.0倍
 ・女子校 ・・・5.4倍
 ・共学校 ・・・6.7倍
 ・合 計 ・・・6.6倍

埼玉県の場合

 ・男子校 ・・・11.4倍
 ・女子校 ・・・13.6倍
 ・共学校 ・・・13.9倍
 ・合 計 ・・・13.5倍

首都圏国立・公立校の場合

 ・男子校 ・・・5.8倍
 ・女子校 ・・・0.0倍
 ・共学校 ・・・4.6倍
 ・合 計 ・・・4.7倍

首都圏全体での倍率・・・6.1倍

以上のような入学試験合格者倍率を示しました。これは、各中学校での入試実施日により大きく倍率が変わりますので注意する必要があります。重複する受験日の学校が少なければ自然と受験者数が増加し、その分倍率が高くなります。

半面、いくつもの中学校で受験日が重なったり連日になったりした場合には、当然1つの中学校当たりの受験者数が減少し倍率が下がるということになります。あくまでも人気の多寡だけを見る指標にするべきと思います。

まとめ

今回は、四谷大塚が提供している「中学入試 過去問データベース」のご紹介とその活用方法、最後には人気中学の見分け方などについてご紹介しました。無料ということは、利用しない手はないと思いますから、是非利用しましょう。

また、ワンポイントアドバイスとして、過去問に取り組む時は、なるべく中学受験本番に近い環境を作ることが大切です。つまり、「静かな部屋で制限時間を守って解かせる」ということです。もちろん、自分の活用している参考書や問題集などを参考にしながら解くのも禁止です。

家庭学習の中で過去問に取り組むと、きっちり時間をはかって本番と同じような緊張感で取り組むのがなかなか難しいのですが、過去問を解かせる時は心を鬼にして、本番に近い環境で問題を解くことに慣れさせましょう。そして、終わったら厳しく採点をし、間違った単元や問題を重点的に復習させましょう。

間違った問題をそのままにしていては、そこから先へ進歩することはまずありません。理解できるようになるまで向き合い、似たような問題が入試本番で出題された場合は、必ず得点できるように、しっかりと過去問を活用しましょう。

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