中学受験において、長期休暇は学校がなく、塾の勉強に集中できる大切な時間です。特に夏休みは最も長い長期休暇であり、成績や偏差値の伸びに大きく影響します。中でも、小学6年生にとっては、夏休みは成績を伸ばすためにとても重要な時間です。多くの塾では夏には中学受験の範囲は全て学習を終えています。そこで、ここから受験に向け、何をすべきか、一度きちんと計画を立てることが必要です。
また、ほとんどの塾では9月以降に過去問演習を開始します。過去問演習が始まると、塾の授業や宿題の合間に過去問と解きなおしが入るため、今まで以上に時間の余裕がありません。復習の時間は夏休みまでしか取ることができないですし、夏休み中の復習内容が9月以降の成績、過去問の結果にも大きく影響をします。
そこでこの記事では、中学受験をする小学6年生がどのような夏休みの過ごし方をすればよいのか紹介します。また、どのくらいの時間勉強しているかも紹介するので合わせて参考にしてみてください。
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中学受験の夏休み前に取り組むべきこと
夏休みを迎える前に、学習の準備をしておくことが大切です。具体的に取り組むべき3つのことを紹介します。
苦手分野の分析
塾で行われる模試やテキストを見返して、どこが苦手なのかを確認しておきましょう。夏休みを逃すとゆっくりと復習できる時間は取れません。また基礎が身についているかを確認するタイミングとしても、夏休みが最適です。9月以降に過去問演習をしてもうまくいかないのは、基礎力不足が原因であり、ここでしっかりと基礎を定着させることが重要といえます。
とはいえ、夏休み中も塾があり、授業を受けるだけでなく宿題をしなければならないので、決して時間に余裕はありません。そこで、少しでも効率的に限られた時間を有効に使うことができるようにするためにも、苦手なものが何かを認識し、どれから取り組むべきなのか、優先順位を確認することが大切です。
保護者は分析作業をするために過去のテキストやプリントを見返すと、解いていないものや触れていないものが目につきます。「せっかく買ったのにもったいない」「やっていないものはすべて手を付けないとダメだ」といった気持ちが出てくるものです。
しかし、今から解いていないものに手を付ける余裕はありません。解いたら解きなおしが必要になり、時間がいくらあっても足りないですし、中には優先順位が低いものもあります。中学受験で取り扱うものは膨大にあり、全レベルの生徒に向けて塾のテキストや問題集も用意されているため、塾でも取り扱わないものも多くあり、塾では優先順位が低いものは手を付けていません。
そこで、夏休み前に見返して解いていないものは「ほかの子も解いていない」「これを解かない分ほかに大切なものに取り組んでいるから大丈夫」と、前向きに諦めてしまいましょう。
目標を決める
長い夏休みを有効に過ごすためには具体的な目標が不可欠です。子どもたちも夏休みに何を頑張るかが明確にならないと、頑張る気持ちがあってもどこに向かえばよいかわからなくなってしまいます。
目標を決めるときには大人も子どもも成果を判断しやすいよう、数値で示せるものにしましょう。例えば「夏休み明けの模試で算数80点以上取る」とか「夏休み期間で400時間勉強する」といったものです。このとき、途中でダレだとしてもリカバリーのきくものにしておくことをおすすめします。
「毎日3時間勉強する」という目標を立てた場合、夏休みが始まってすぐに体調を崩して勉強ができない日ができたとすると、夏休み前半で目標が達成できないことが決まってしまいます。目標が達成できないとなると、子どもも頑張ることができません。
その点、400時間といった夏休み全体を通して達成する目標であれば、ほかの日に勉強することでリカバリーができるため、モチベーションを維持しやすいのです。
また、子どもだけではなく、大人も一緒に目標を立てることも相乗効果が期待できます。「お父さんもお母さんも一緒に頑張る」この意識が子どもにも伝わり、勉強へのモチベーションが上がることでしょう。
予定を立てる
予定を立てるといっても、時間割のような事細かな予定を立てる必要はありません。塾の予定と学校の登校日などの予定、家族との予定といったものを埋めて、どのくらい勉強ができる日があるのか、一日フリーな日がどのくらいあるのか、というのを明確にするのが目的です。
受験生といえども、小学6年生なので勉強したくない日もあります。学校の宿題もあるので、一日フリーな日があっても塾の勉強だけをするのではなく、学校の宿題をする日も必要ですし、息抜きのための日も必要です。
そこで、予定を確認することで、どこでどのくらい勉強することが必要なのかというスケジュールの確認をしておきます。
例えば、自由に過ごせる日が5日あったとして、それまでに時間を作って学校の宿題を終わらせておけば、その日に学校の宿題をする必要がなくなり、出かけることができるようになることもあります。いつまでに何をしておけば自由に過ごせる日が確保できるのか、というのが明確になれば子どもたちも計画的に勉強を進めやすくなります。
中学受験生の夏休み中の過ごし方
中学受験生が夏休み前に事前準備ができたら、具体的にどのように行動していくとよいのでしょうか。ここでも3つのポイントがあります。保護者が手伝ってもよいですが、できるだけ子どもたちに主体的に行動させ、保護者はフォローをする程度にとどめるようにしましょう。
その日の予定とすることを確認
毎日、朝のうちにその日の予定とすべきことの確認を行うことを習慣化させます。塾の授業が何時から何時まであるのか、それに合わせて宿題は何時から何時に取り組むのか、だいたいのスケジュールの確認を実施します。宿題以外にも夏休みに課されている課題がありますから、それはどこで取り組むのかも合わせて確認しましょう。
予定は保護者が確認してもよいですが、ある程度は子どもにゆだねることが大切です。長い夏休み、ぎちぎちに管理をしてしまうと子どもたちも息が詰まってしまいます。ある程度は子どものことを信じて任せることが大切です。子どもが集中しやすいように、ごはんの時間を調整したほうが良いか、お迎えは授業終わりすぐではなく自習時間を確保したほうがいいか、といったことだけは事前に確認しておくと、お互い気持ちよく過ごせます。
スケジュール管理の中で、保護者も協力してきっちりと管理すべきことが、睡眠時間です。1日7時間は取れるように保護者も声掛けをしましょう。夏休みのうちから朝型に切り替えられると理想的ですが、塾の授業が夜だとなかなかうまくいきません。無理に朝型に切り替えるよりは、体調管理のためにも睡眠時間確保を優先しましょう。
週末に振り返りをする
塾によってスケジュールの違いはありますが、日曜日は塾が休みというところもありますし、保護者も仕事がなくて家にいるというケースが多いです。そこで、週末に振り返りの時間を取って、できたこととできていないこと、翌週以降に取り組むべきことを確認するようにしましょう。振り返りは保護者も入ることで、平日は細かく確認をしなくても進捗の確認をすることができます。
ここでも、やるべきことが終わっていなかったからといって厳しいことばかり言うことはやめましょう。揉めても時間は戻ってきません。終わっていなかったものの中でも優先順位を確認し、取り組むべきものから進めていき、少しでも子どもたちに成功体験を積ませることが大切です。
親子の時間を大切にする
受験生の夏休みというのは孤独なものです。塾にいても休み時間も友達と思う存分話したり、体を動かして遊んだりするようなこともありません。特にここ数年はコロナウイルスの影響もあり、お弁当休憩も黙食がルールとなっているところも多いです。そのため休憩時間に友達と話してリフレッシュすることも難しくなっています。
そこで、家にいる時間には親子でのコミュニケーションを大切にして、たくさん会話をすることを心がけましょう。子どもにとって親子での時間がストレス発散の時間になると家庭での時間を過ごしやすくなります。一緒にゲームをしたり、運動したりするのもよいでしょう。
毎日体力づくりのために一緒にストレッチやランニングをするのもおすすめです。中学入試の内容には実生活で関連した問題も出題が多い傾向が見受けられます。塾で教える勉強や机の上での勉強だけではなく日常生活にヒントが隠されているものもあり、日常会話が受験本番に役立つことも多いです。
中学受験をする場合、夏休みは何時間勉強すればよいのか
一般的には、中学受験をする小学6年生は夏休みに7時間ほど勉強するといわれています。一見ものすごく長く思えますが、学校の授業の時間をそのまま受験勉強に充てれば7時間は十分達成できる時間です。多くの子が塾の夏期講習も受けているので、一日7時間机に向かうこと自体は難しいことではありません。
しかし、大切なのは毎日7時間机に向かうことではなく、勉強をして学力をつけること、苦手なものをできるようにしていくことです。
そこで、時間にこだわる必要はありません。短時間でも集中して取り組んで成果が出るなら十分です。目安として毎日7時間は机に向かうことを目標にしながら、子どもの集中力や進捗に合わせて勉強時間は調整していきましょう。
夏休みの取り組みで気を付けるべきこと
以下のことは受験生が失敗しやすいこと。以下の2つに気を付けておきましょう。
塾の講習を受けすぎない
夏休みには授業以外にも、塾でオプション講座などの授業が行われることがあります。本当に自分に合った講座であれば良いですが、何も考えずに塾に言われた通り受講することは危険です。
授業を受ければ復習が必要になるため、受講するオプション講座が増えるほど、授業以外の時間に取り組むべきことが多くなり、自習の時間が無くなってしまいます。
そこで、必要なものが何かしっかりと吟味するようにしましょう。スケジュールを確認するとともに、夏休みにやるべきことも確認し、取り組むべきものを選び取っていきましょう。
注意をしすぎない
夏休みは長いので、子どもたちも疲れが出てしまうこともありますし、中だるみをすることもあります。思わず「勉強したの?」「もっと集中しなさい」といった厳しい声掛けをすることも。しかし、家では集中していないように見えたとしても、塾で精いっぱい頑張ってきて、その疲れからゆったり過ごしているという可能性もあります。一瞬の様子だけ見て厳しい声をかけることはやめましょう。毎日続くことだからこそ、親子ともに気持ちよく過ごせるように、注意をし過ぎることは危険です。
子どもたちも褒められて嫌な気持ちになることはありません。むしろ、頑張りが認められということでもっと頑張ろうという気持ちが持てます。小さなことでも褒めることを大切にしましょう。
もしも何か注意したいと思うことがあったとしても、子どもが受け入れやすいように、先にポジティブなことから話していきます。「算数の計算、ミスが減ったね。国語の漢字も点数が伸びるともっと合格に近づくね」というように、まずは頑張りを褒めてから、次に取り組むべきことを伝えるようにした方が効果的です。
社会の学習にスタディアップの教材を活用しよう!
夏休みに効果的に成績を伸ばす方法として、苦手分野をスタディアップの教材で復習するのがおすすめです。教材も幅広いタイプの子に対応した教材が用意されており、基礎内容を身につけるだけでなく、得意な子は上位生向け対策のテキストに取り組むことで周りに差をつけることも可能です。
特に「コンプリートマスター」は中学受験の社会の内容を13時間の講義にまとめてCDに収録しています。CD教材なので、送迎途中の車の中でCDを流したり、勉強の合間の気分転換に活用したりと、隙間時間での学習ができて便利です。すべてを使おうとせず、苦手な単元の整理や、授業を欠席した部分のフォローに活用することもできます。
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まとめ
夏休みは長いようであっという間に終わってしまいます。子どもの学習に関しては、あれもこれもと詰め込みすぎるのではなく、今までの学習の総復習を行うタイミングだと考えて取り組むのがベストです。
普段よりも時間に余裕があるので、親子でニュースを見て意見を出し合ったり、新聞をじっくり読み込んだり、といったコミュニケーションを取りながら学習ができるタイミングでもあります。塾ではなかなか友達と会話することもなく、勉強も忙しくなりストレスフルになる場面もあるので、会話を通して子どもたちがリラックスできる時間も設けるよう心がけましょう。
また全体の学習の復習をする上で、スタディアップの教材を使って短時間で社会を得意教科にするのは非常に良い方法です。社会は暗記教科であり、自学でも進めていくことが可能です。
スタディアップでは講義CDを中心にカード・パズルなど教材が豊富にすき間時間に取り組みやすいものも多くあります。子どもたちに負担をかけずに取り組むことができるので、社会の得点力底上げに活用してみましょう。
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