中学受験は子どもたちにとって、長い戦いになります。どれだけ行きたい学校があったとしても、3年近く一つの目標に向かって努力をするという経験は簡単なものではありません。
受験勉強中にストレスを抱えるという子どもは多くいます。子どもがストレスフルな状態は保護者も見ていて辛いものです。少しでもストレスを軽減することができれば、乗り切りやすくなりますし、受験でも結果が出やすくなります。
この記事では、子どもたちが受験勉強中のストレスで潰れてしまわないためにできることを紹介していきます。子どもによってタイプがあるので、合った方法を取り入れてみましょう。
ストレスコントロールは合格に欠かせないもの
中学受験に向かい合っている間、親子共にストレスを抱えることはあるものです。成績が上がらなかったり、周りの友達が遊んでいるのをうらやましく感じたり、ストレスフルになる原因は様々なものがあります。
子どもたちにとっても、中学受験でのストレスは人生の中で経験したことのないような大きなものであることがほとんどです。ストレスを抱えた状態で過ごすと心身の不調をきたし、受験どころではなくなることもあります。
逆に、ストレスをうまくコントロールすることができれば、受験にも前向きに取り組むことができるようになります。合格するためにはストレスコントロールは欠かせないものなのです。
ストレス対策をするためには原因を知ることが大切
子どもたちがストレスを感じる原因はいくつかあります。適切な対策を講じるためにも、どんな原因があるのかを知っておきましょう。
成績が上がらない・勉強が大変
普段の様子は元気で成績もあまり気にしていなそうな様子であったとしても、意外と気にして一人で抱え込んでいることがあります。受験の勉強は難しいですし、覚えることも多いです。そのため、ある日突然「もう頑張りたくない」とか「受験したくない!」と爆発してしまうケースもあります。
塾でのテストに一喜一憂している子の方が意外とテストや成績に対してストレスを抱えていないこともありますし、もちろん逆のケースもあります。子どもたちの普段の様子や成績や勉強、塾の様子についての言葉にしっかりと耳を傾け、言葉の裏にあるサインを見落とさないように気を付けましょう。
周囲からのプレッシャー
親からの「やればできる」という言葉は子どもにとって前向きになれるきっかけにもなりますし、プレッシャーになることもあります。適度なプレッシャーはモチベーションアップにもつながりますが、あまりにもプレッシャーをかけすぎると子どもたちがつぶれてしまう原因です。
親からだけでなく、親戚や周りの人からプレッシャーを受けるケースもあります。兄弟に優秀な人がいたり、両親が優秀だったりすることで期待の声をかけられることもあるのです。これも、たまになら良いのですが、さまざまな人がこえをかけることで頻繁に言われ、子どもたちがストレスフルになることにつながります。
仲良しの子が中学受験をしない、中学受験をする人が周囲で少ない
首都圏では中学受験をする子が増えていますが、地方ではまだまだ受験する子が少数という地域も多いです。また、首都圏であっても、仲の良い子が必ずしも中学受験をするとは限りません。
このように、周りの子が中学受験をしない環境だと、会話が合わなくなったり、なかなか遊べなくなったりすることでストレスを抱えるようになります。友達からの誘いを断ることも辛いですが、誘われなくなってしまうことも子どもにとっては辛いことです。
子どもたちの交友関係について大人があれこれ口を出すべきことではありません。口出しして余計面倒なことになる場合もあります。見守ると同時に、他の部分でストレスを発散する方法を考えることが大切です。
子どものストレス対策としてどのようなことがあるか
子どものストレス対策として具体的にどのようなことをするのが良いのでしょうか。子どもによって合うものは違うので、以下の対策の中で効果が出そうなものを取り入れてみるようにしましょう。
しっかりと話を聞いて受け止める
基本中の基本のことであり、子どもたちにとってもとても大切なことです。子どもたち自身も、何が原因でストレスが溜まっているのかわからない状況になることも少なくありません。保護者との会話の中で「これがモヤモヤの原因だったのか!」と気付くことも多いです。気付けたことで一気に気持ちが軽くなることもあります。
保護者がしっかりと話を聞いて受け止めてくれることによって、子どもは味方がいる安心感を得られます。自己肯定感を高めることができ、ストレスも感じにくくなりますし、乗り切るパワーも得ることができます。
子どもの話を聞いていて、ときには八つ当たりをされたり、不平不満に対して意見をしたくなったりすることもあるでしょう。思わず途中で子どもの話をさえぎって意見をしてしまいそうになることもありますが、まずは全部受け止めることが大切です。言い切ったことで満足して、自分が間違えていた部分に気付けることもあります。
もしも、子どもに伝えるべきことがある場合には、すぐに否定するのではなく、まずは子どもの言い分をすべて受け止め、その後提案という形で伝えると子どもにも伝わりやすく、なおかつストレスを軽減することができます。
スキンシップをとる
小学校高学年にもなると、親子でのスキンシップも減りがちです。しかし、子どもが不安に感じていて、なおかつ言葉にできない状態であるときは、手を握ったり抱きしめたり、ということだけでも気持ちが軽くなることも多いです。
日常の中で定期的に子どもとの触れ合いの時間は設けるように意識してみましょう。子どもたちも初めは恥ずかしがるかもしれません。しかし、慣れてくればスキンシップの時間で気持ちが満たされたり、ストレスが軽くなったりといった効果を感じることができるようになります。
もしも子どもから「手をつないで」とか「ギュってして」とかとスキンシップを求めてくるようなことがあれば、すぐにしてあげましょう。子どもたちから求めるという場面は、かなりストレスフルになっていたり、精神的に辛かったりする可能性が高いです。ただスキンシップを取るだけでも気持ちは軽くなりますが、せっかくなので「いつも頑張ってるね」といった言葉もかけてあげるとより一層子どものメンタルは安定します。
美味しいもの・好きなものを食べる
大人にも言えることですが、美味しいものや好きなものを食べるのは幸せな気持ちになります。ストレス解消にもなりますし、また頑張ろうというパワーももらうことができます。そこで、子どもが落ち込んでいたり、ストレスフルになっていたりしたら、美味しいものを食べたり、好きなメニューを用意したりするようにしましょう。
家で好きなメニューを思う存分食べるのでも良いですし、外食をするのでも構いません。受験勉強が忙しくなると外食する機会もどんどんと減ってしまいます。外でゆっくりと食事をするだけでもリフレッシュになります。時間が無い場合には塾の行き帰りにカフェやファミレスで甘いものを食べながらおしゃべりするのもおすすめです。
思い切って一日自由に過ごす
受験勉強が本格化してくると、ゆっくり休むことにどんどんと抵抗を感じるようになります。保護者も子どもも「休んだら追いつけなくなる、宿題が終わらない」といった不安になるものですが、ストレスが大きくなっているときは思い切って1日休んでみましょう。
好きなゲームをしても良いですし、運動をしても良いです。だらだらと過ごしたいなら、家でゴロゴロして途中で昼寝をするのも良いでしょう。思いっきり好きなことをすることで、完全に気持ちがリフレッシュできれば、また頑張ろうという気持ちにもなれます。一日勉強から離れることで気持ちの整理ができ、ストレスを抱えていた原因が見えてくることもあります。
まとめ
子どもたちは受験を乗り越えるまでにたくさんのストレスを抱えます。うまくストレスコントロールをすることは、受験で成功するために欠かせないことですし、子どもたちが心身ともに健康に過ごすために欠かせないことです。
子どもたちのストレスの状況を確認するためにも、日頃から子どもたちの言動を確認しておきましょう。子どもたち自身もストレスを感じていることに気付いていないケースも多いです。様子を見ていて気になることがあれば声かけをして、ストレスが軽減できるように日常生活の中でうまく解消していきましょう。