中学受験では、国語の問題だけでなく、理科や社会でも漢字指定がされる問題が増えています。基本的には教科書に書かれている漢字については、授業で習っていなくても漢字で書かなければなりません。国語だけでなく理科や社会も漢字を覚えることが必要となれば、漢字が苦手な子にとってはもちろんのこと、得意な子でも苦戦する量です。
漢字というのは一日で必要なものをすべて暗記するということができません。そこで、日頃からコツコツと努力をして覚えておく必要があります。日常的に漢字を正しく覚える習慣を身につけておけば、無理なくスムーズに漢字を覚えることが可能です。
そこでこの記事では、中学受験で避けられない漢字を正しく覚えるためのポイントと、効果的な暗記方法について紹介をしていきます。ぜひ早いうちから普段の勉強に取り入れていきましょう。
中学受験で漢字が覚えられない理由を考える
漢字を覚えるのが苦手な人、なかなか正しく覚えられない人は、なぜ覚えられないのかという理由を考えると対策を講じやすいです。ここではよくある覚えられない理由を紹介していきます。
単に漢字を見ているだけ
暗記をする際、読んで覚えたり、書いて覚えたり、というようにいくつかの方法があります。人によって合う方法はあるので、これが正しい、とは一概には言えません。しかし、漢字を覚えるにあたってはやはり一度は書いて確認することが大切です。ただ、教科書に書いている漢字を眺めているだけではなかなか身に付きません。
小学校低学年のうちは、漢字も簡単なものが多いので一通り目を通すだけでも覚えられることが多いです。しかし、学年が上がってくると一つの単元で出てくる漢字の量も増えますし、画数も多く複雑なものが増えてきます。そうすると見ているだけでは覚えられなくなってしまいます。低学年のうちに見ているだけで覚えていて、手を動かす習慣がついていないと、学年が上がってもなかなか手を動かすことができなくなりがちです。見て覚えられる内容のころから、一度でいいから書いて確認する、という習慣をつけておくようにしましょう。
漢字の意味を考えない
漢字にはすべて意味があります。漢字の成り立ちや、なぜその漢字が使われているのか、ということを考えると格段に漢字は覚えやすくなります。何も考えずただ書き写していると、漢字も覚えられないし、語句の意味も理解が進みません。教科書を読んだり問題を解いたりするときに、漢字や語句の意味を考えるようにするだけで、漢字のミスや覚え間違えを改善できます。
一夜漬け
塾に通っていると国語の漢字や理科社会の授業の理解度チェックなど、細かなテストが頻繁に行われます。このテストのための勉強時間が取れず、前日の夜や当日の授業前に慌てて取り組むということも少なくありません。直前のチェックだけでは語句は頭に入れられたとしても、その説明や漢字の細かな部分まで覚えることは無理があります。模試も覚えられたとしても、記憶には残りにくいです。短期的には頭に入ったとしても、時期が経つと忘れてしまうでしょう。
中学受験で漢字を忘れないための効果的な勉強方法
中学受験の勉強をしていく中で、せっかく漢字を覚えたのに忘れてしまってはもったいないです。そこで、忘れないようにするために以下の方法を取り入れてみましょう。
書いて覚える
定番でアナログな方法ですが、やはり何度も書いて覚える方法以上に有効なものはありません。ただ見ているだけでは覚えられないですし、細かい部分の覚え間違えが出る原因になります。そこで、教科書を読む際に隣に裏紙とペンを用意しておき、難しい漢字や見ただけでは覚えられなそうな漢字は書くようにします。読み終わった後、一度書いただけでは覚えられなそうなものをピックアップして反復していくようにしましょう。
他にもやることがあって忙しい、何度も書くのは面倒、などできるだけ書かずに覚えたいと思うのは当然のことです。しかし、何度も書くこと以上に正しく正確に覚える方法はありません。繰り返していくうちに漢字を覚えるコツがわかるようになれば、書く回数も減らせますし、頭に入りやすくなります。コツをつかむまでは何度も書いて体で覚えることを徹底しましょう。
意味を確認する
先ほど述べた通り、漢字の意味を理解せずにやみくもに書いていても漢字は身に付きません。そこで、面倒でも漢字の意味を確認しながら覚えるようにしていきましょう。漢字の成り立ちや由来を理解するまでは、確認作業に時間がかかりますが、慣れてくれば理解も早くなり、漢字も覚えやすくなってきます。特に学年が上がってくると同音異義語や同訓異義語も増えてくるので、意味を確認することは覚え間違え防止にとても有効です。意味を確認することで語彙を増やす効果もあります。
中学受験で漢字を暗記するために自分に合った勉強方法を知ることが大切
中学受験で漢字が覚えられない人、苦手な人でも練習すれば漢字は覚えられるようになります。しかし、覚えられるまでにかかる時間や書くべき回数、見直す頻度というのは人によって様々です。そこで、日頃から漢字練習をしていく中で、自分にはどういったスタイルでの勉強があっているのかというのを見つけていくようにしましょう。
例えば、漢字を覚えるのが得意な人でも、一度見て完璧に覚えてずっと忘れないということはできません。漢字テストを受けるのならば時間のあるときに一通りの練習をして暗記をした後、直前にもう一度見直しをすることでより確実な知識にすることができます。これが覚えるのが苦手な人の場合には、一度しっかりと練習をして覚えた後、漢字テスト当日までに見直す回数を増やすようにしていくことで、確実に覚えられるようになるのです。
このとき、どのタイミングでどのくらいの時間の見直しをするかも人によって違います。一度しっかりと覚えれば、最後に一通り目視確認でチェックができるという人もいれば、本番同様に書き取りのテストをすることが必要な人、最初と同じくらいしっかりとした練習をもう一度しないといけない人、などパターンは様々です。日々の勉強の中で、自分にはどのスタイルで勉強すると、漢字が身に付きやすいのかを知るようにしましょう。
効果的な漢字勉強法と避けるべき勉強法
漢字がなかなか覚えられない人が漢字を覚えるために、どういった勉強方法をすればよいか、簡単に取り入れやすい方法と避けたほうが良い勉強方法を紹介していきます。ぜひ、普段の勉強に取り入れてみてください。
単語カードに書いていく
覚えられない漢字でも、目にする頻度が上がれば自然と覚えられるようになります。中学受験でも、よく出てくる漢字や語句は頭に入りやすいです。そこで、なかなか覚えられない漢字を目にする頻度を上げるだけで覚えられるようになります。
単語カードであれば持ち運びがしやすく、塾の送り迎えを待つ時間や休憩時間でも気軽に見られて便利です。本格的に用語の意味など書くと大変なので、漢字を覚えるだけの目的であれば、表面に読みを書いて、裏に漢字を書くだけで十分です。教科も関係なく、ただ漢字が覚えられないものを書いて入れておきましょう。定期的にテストをして、覚えたものはどんどん外して捨てていけば、常に覚えていない漢字だけをチェックできる点でも便利です。単語カードが減るということは覚えていない漢字が減ったということになります。努力が目に見える形になるためにモチベーションアップになるという点でも、とても有効です。
裏紙に書いて貼る
単語カードを用意しなくても、覚えられない漢字を書いて目につきやすい場所に貼っておくだけでも十分効果があります。ただし、できればただ見るだけでなく指ででもいいので書いて覚えているか確認するようにしましょう。裏紙であれば、トイレやお風呂に持ち込むこともできますし、塾に行ったり部屋で過ごしたりといった移動の旅にも気軽に持ち運べます。終わったら気兼ねなく捨てられるので、ぐしゃぐしゃに丸めたりびりびりに破ったりしてストレス解消に使うのもおすすめです。
赤シートでの勉強は注意
赤シートで重要語句が隠れる問題集は手軽にテストができて便利な教材です。普段の授業の内容をまとめる際に、赤シートで消えるペンを使ってオリジナルの問題集や参考書を作っているという人もいるでしょう。しかし漢字を覚える、という目的で使うのはこの赤シート勉強法は良いとはいえません。理由としては、語句の確認がメインとなり漢字のチェックができない人が多いからです。
もちろん、赤シートで隠した部分を紙に書いて漢字の確認をするのならば有効です。しかし、赤シートを使ってただ語句を確認するだけだと漢字までしっかりと確認ができません。また、赤シートで消える文字で書かれていると他の文字より見にくく漢字を見間違える危険もあります。赤シートを使うのは、漢字を覚えるという目的ではなく、あくまでも語句の確認をするために使うのや、漢字でも読みの練習に活用するのがおすすめです。
まとめ
今回は中学受験生の中で苦手な子も多い、漢字の覚え方について紹介をしました。人によって得意不得意がありますし、覚えるのに時間がかかったり、正しく覚えるのが苦手だったりする子も少なくありません。やはり見ているだけでは覚えられず、何度も書いて覚えることが大切です。
書く回数や覚えるまでに見直しをする回数などは人によって違います。そこで繰り返し漢字の練習をする中で自分に合った練習方法や頻度を見つけていくようにしましょう。また、単語カードや裏紙を壁に貼るなどの工夫をして目にする頻度を上げて、その場で書いて確認していくことで覚えやすくなっていきます。